ゆで卵って、簡単なようでいて、じつは難しい料理だと思いませんか。
何よりも、きれいに剥くのが。
というか、きれいに剥くのが。
ひどいときは白身の半分ぐらいが殻にくっついて持っていかれてしまった、ぼろぼろのゆで卵は本当にしょんぼりしますよね。
よほどとろっとろのギリギリな半熟卵をめざしているのでない限り、ゆで卵の苦労の大部分はきれいに剥けるかどうかに集約されています。
ゆで卵がきれいに剥けない理由と、簡単で完璧なゆで方をご紹介しましょう。
ゆで卵がきれいに剥けない理由
ゆで卵がきれいに剥けない理由はなんでしょうか。
端的に言えば殻の内側に白身がくっついてしまっているからですよね。
白身が殻にくっついてしまわないように、みんな知恵を絞っているわけです。
少し時間のたった卵がいいと言われる理由
よく、卵が新鮮だと殻がうまく剥けない、少し時間のたった卵のほうがゆで卵には向いている、と言われます。
これは事実で、その理由は、二酸化炭素にあります。
卵の白身には、二酸化炭素が含まれています。
卵の殻には微細な穴がたくさんあいていますので時間が経つと抜けていくのですが、産卵からあまり時間がたっていない卵にはまだ二酸化炭素が多めに含まれています。
この二酸化炭素が膨張して、白身を殻に押しつけてしまい、白身が殻からはがれなくなってしまうのです。
また、二酸化炭素の膨張によって白身にスポンジのような小さな穴が無数にあいてしまい、ぼそぼそした食感の白身になってしまう可能性もあります。
二酸化炭素が抜けたあとのほうが白身のアルカリ性が強まり、白身が固まった時ぷりんぷりんになります。
二酸化炭素が抜けるには、冷蔵庫で5日程度、常温なら3日程度といわれています。
卵の消費期限は2週間程度。
これは、生食可能な期間ですので、火を通すゆで卵ならさらに何日かは大丈夫。
買ってきたばかりの卵も、十分おいしいうちに剥きやすい状態の卵になります。
殻を剥く前にゆで卵作り
とはいえ、ゆで卵を食べたい、と思った時に買ってから数日経った卵があればいいですが、買ってきてから卵がゆでられるようになるまで5日も待ってはいられません。
毎日食べる人は別として、食べたくなるかもしれないから、とゆで卵を作りおきしておくのも、あまり現実的ではありません。
卵の賞味期限は2週間程度ありますが、ゆで卵は4日程度しかもちません。大量に作りおきしてしまうのは不安です。
新しくても絶対にきれいに剥けない、ということはありませんので、やはり食べたい時にゆでるのが一番ですね。
簡単完璧なゆで卵の作り方
水からゆでる、お湯がぐらぐらにわいてから卵を入れる、お湯にお酢を入れる、塩を入れる、先に卵にひびを入れる(尖ったほうと丸いほう両方の意見があるようです)、室温に戻してからゆでたほうがいい、冷蔵庫から出してすぐゆでるのがいい。
ゆでる時間は水から12分、沸騰してから6分、ゆで終わったら流水にさらす、氷水につける、など、ゆで卵をじょうずにゆでるコツはレシピによってじつにさまざまです。
ですが、私としては、どうもどれもこれだ、とは思えませんでした。
お湯が沸くまで台所で待っているのは手間だし、
待ってる間に忘れてしまって空焚きしかねないし(かなり近いところまでやったことがあります)、
冷蔵庫から出した卵がどのくらいで常温に戻るか知らないし。
常温に戻そうとしているのを忘れてしまいそうだし。
あと、私はついついお湯をたっぷり入れてしまうので、ゆでている途中でお湯が吹きこぼれてしまうのもひそかな悩みでした。
そんなこんなでいろんなレシピを探しては試した結果、このレシピにたどりつきました。
- 冷蔵庫から卵を出す
- 水深1~2センチ水を入れたフライパンに入れてフタをする。
- 強火にかけて3分
- 3分たったら弱火にして3分。
- 弱火で3分たったら火をとめて、3分~6分放置でゆで具合を調節
(レシピにある水大さじ5では、うちではすこし水が足りませんでした)
冷蔵庫から出してすぐゆでられる、水もそんなに使わず、途中で弱火にするのでちょっぴりエコ。
黄身のゆで具合もある程度自分で調節可能。
強火にかけたあとタイマーかけて3分で一度台所へ戻らないといけないのがちょっとだけ手間ですが、その程度ならあまり障害には感じません。
私は一人暮らしで、多くてせいぜい3つぐらいまでしかゆでないので、フライパンではなく小さな片手鍋を使っています。
また、ヒビも入れていません。(面倒)
(ほぼ)完璧な剥き方
さて、卵がゆであがりました。
フタをずらしてお湯を捨て、水道水を少しだけ入れて、軽くなべを振って、卵同士をお互いと鍋のふちにぶつけて、殻にひびを入れます。
有名な伊東家の裏ワザの応用です。
強く振り回すと卵までへこんでしまって、きれいに剥けません。
そっと、でもしっかり殻にひびや穴があいているのがわかるぐらいには振ってください。
穴があいたら、たっぷりの流水にさらします。
卵をつるんときれいに剥くためには、殻と白身の間に空間を作ることが大事です。
そのために殻に穴をあけ、水で内側の白身をきゅっと締めるというわけです。
しっかりと、最低1分以上流水で冷やし、水を流したまま、殻の破れ目からそっと殻を剥いていきましょう。
この時期水が冷たいので流水ではなく水をためた中に漬けて剥けばいいのではと思ったのですが、あまりうまく剥けませんでした。
直接卵に流水があたっていなくても、水流が殻を剥きやすくしてくれるのかもしれません。
画像は、さっき自分でゆでて剥いた卵です。
右下の、ちょっとぼこぼこになっているものは振った時にひびが入りきらなかった卵です。あとで自分でレンジ台にあててひびを入れたのですが、きれいに剥けませんでした。
卵サラダにするために最後はつぶしてしまうものであっても、やはり卵はつるんと剥けるほうがうれしいもの。
手軽くエコに、つるつるのゆで卵を楽しんでくださいね。