ホットミルクやカフェオレを作ると必ずといっていいほどできてしまう、表面のあの膜。
舌ざわりはよくないし、見た目もよろしくありません。
飲もうとしても口の周りにくっついてしまったり。
じつは、あの膜を作らないでホットミルクを作れる方法があるんです。
牛乳にできる、あの膜の正体は?
そもそも、あの膜はなんなのでしょうか。
膜ができてしまって取り除いたらすぐまた次の膜ができてげんなりしたこともあるのではないでしょうか。
牛乳を加熱すると表面に膜が張る現象はラムスデン現象といいます。加熱されたことにより牛乳の表面の水分が蒸発し、牛乳のタンパク質と脂肪が熱変性してできたものです。
つまり、牛乳が蒸発するくらい熱いうちは何度でも膜ができてしまうということです。
膜を取り除いてもまたすぐに膜が張ってきて、まるで引き上げ湯葉のようですね。
じつはまさに、この現象を湯葉で発生させるのが、引き上げ湯葉なのです。
牛乳に膜が張るのを防ぐ方法
引き上げ湯葉はつるりとしていておいしいですが、牛乳の膜はざらついていてあまりおいしくありません。
ですが、先に述べたとおり牛乳の膜は牛乳のタンパク質と脂肪です。つまり、牛乳の栄養分がぎゅっと凝縮されています。
捨ててしまうのはもったいなさすぎますね。
できれば、膜を作らずに牛乳を加熱したいものです。
では、ラムスデン現象を起こさないようにするためには、どうすればいいのでしょうか。
1.牛乳を加熱しすぎない
熱くしすぎると膜ができるのですから、熱くなりすぎないように調節すればいいというわけです。
単純な話ですね。
では、何度なら牛乳は膜を張らないのでしょうか。
牛乳に膜ができるようになる温度は、40度前後といわれています。
40度を超えない程度にすれば膜はできないわけですね。
しかし、40度といえば、人肌よりすこし温度が高い程度。
ホットミルクと呼べるかどうか微妙ですし、温度調節もかなり厳密にしなければすぐに越えてしまいそうです。
あまり実用的には思えません。
それではもう一つ、こちらは牛乳を沸かしても大丈夫な、別の方法をご紹介しましょう。
2.重曹をひとつまみ入れる
牛乳に膜ができる現象は、引き上げ湯葉と同じというお話でぴんときたかたもいるのではないでしょうか。
そう、豆乳鍋にひとつまみ入れると豆乳が分離しない、湯豆腐に入れると豆腐がとろとろになる魔法の粉、重曹が、ここでも味方をしてくれるのです。
牛乳を加熱する前に、重曹をひとつまみ入れ、かき混ぜてから加熱します。
すると、沸騰寸前まで加熱しても、牛乳の表面には膜はできません。
重曹は、もちろん掃除用ではなく食用を使ってくださいね。
掃除用のものほど安価ではありませんが、決して高いものではありません。
食用であればどんなメーカーのものでも大丈夫。
スーパーでは、製菓用品のコーナーに、ゼラチンやベーキングパウダーなどと並んで置かれていることが多いです。
小麦粉やお好み焼き用の粉などを売っている棚にあることもあります。
ホットミルクは飲みたいけれど、膜ができるのが……。
子供に牛乳を飲ませたいけれど冷たいとおなかをこわすし、ホットミルクにすると子供が膜をいやがる……。
そんなかたはぜひ、重曹をひとつまみ、を試してみてくださいね。