「春分」と「春分の日」の関係、知っていますか?

「春分」と「春分の日」の関係、知っていますか?

春分の日は国民の休日であるにも関わらず、何月何日、あるいは第何何曜日とはっきり決まっていません。
では、どうやって決まっているのでしょう?

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「春分」ってなんのこと?

まず、「春分」とは何なのでしょうか。

「だいたい3月21日ぐらい」「昼と夜の長さが同じ日」など、なんとなく「春分ってこういう日」というイメージは誰しも持っていると思います。私も、長年なんとなくそうイメージして過ごしてきました。

もちろん、すべて間違いではありません。

もっとも正確な言葉で説明すると、春分とは

太陽が春分点を通過した瞬間

を言います。

さらにこれは、太陽黄経が0度となった時、だそうです。
どちらも、なんのことかよくわかりませんね……(笑)。

春分点ってなに?

この「春分『点』」とはなんでしょうか。

天文学には、天球という考え方があります。
これは、かつての天動説のように、地球を中心に据えて、いわば地球目線で宇宙を見る、架空の球体です。
この天球上で天体の位置などを決めるため、地球上同様、この球体に経度緯度を割りつけるのですが、基準は地球ですので、赤道をそのまま延長して「天の赤道」としています。
同様に北極、南極の軸線も延長し、天球と交わった場所を天の北極、天の南極としています。

地球の軸は太陽に対して傾いていますので、天球上で太陽の位置を見ていくと毎日少しずつ位置が変わり、一年かけて一周しています。
これが黄道と呼ばれるもので、この移動の線上に存在する12の星座が黄道十二星座、あるいは黄道十二宮と呼ばれているのですが、年に2回、天の赤道と太陽の位置が交わる瞬間があります。

そのうち、春に交わる点が「春分点」と呼ばれています。

天球上の経度は、天の赤道と黄道の交わる、この春分点を基点としています。そのため、春分の瞬間は黄経も0度となるわけです。

そして、くり返しになりますが、この春分点を太陽が通過した瞬間が、「春分」。
この瞬間が含まれる日を「春分」あるいは「春分日」と呼び、二十四節気の一つとされ、二十四節気の上ではこの日から次にくる清明の前日までの期間も、春分と呼びます。

春分の日とは

では、「春分の日」とは何を言うのでしょうか。
これは日本の祝日で、国民の祝日の一つです。

日本の祝日を定める「国民の祝日に関する法律」によって、春分の日は「春分日」を採用する、とされています。
春分日は毎年おおむね3月21日ごろですが、後述しますが春分、つまり太陽の春分点の通過は年によって微妙に異なります。
このため、春分の日は毎年、国立天文台の算出する春分日をもとに翌年の春分の日が閣議決定され、2月第1平日に発行される官報によって公示されます。

世界的に見て、天文学をもとに毎年日程が決定される国家の祝日は珍しいものです。

2015年の春分の日は3月21日、2016年は3月20日。
ただし、2016年の3月20日は日曜なので振替休日として21日が休日になります。

春分の日が毎年同じ日ではない理由

ではなぜ、春分の日は変動するのでしょうか。

これは、先ほどもご紹介した春分の定義が関係しています。

春分とは、太陽が天の赤道に重なった瞬間。この瞬間を含む日が春分の日とされていますが、この瞬間は毎年固定ではありません。
現在の暦(グレゴリオ歴)では1年は365日とされていますが、地球の公転は正確に365日ではなく、365日5時間49分です。

このズレを4年ごとのうるう年で補正しているわけですが、補正が行われるまで、春分は毎年5時間49分ずつ遅れていきます。
この瞬間がうるう年に補正される前に日付をまたいでしまうと、春分の日の日付も変わってしまうわけです。

春分の日は昼夜の長さが同じじゃないって本当?

一般的に、春分・秋分の日は昼と夜の長さが同じとされています。
太陽が真東からのぼり、真西へ沈むので、理論上同じであるはずです。
これはまったくの間違いではないのですが、厳密にいうならば、不正確です。
じつは春分の日は、平均でおよそ14分ほど、昼のほうが長くなります。

これはなぜかというと、理由は大きくわけて二つ。

まず、日の出・日の入りを、太陽の上端が水平線に接した瞬間で計測すること。
太陽の中心をとるわけではないので、それぞれ太陽半分の高さぶん、日の出と日の入りは早く、そして遅くなるというわけです。
「昼」は「日の出から日の入りまでの時間」と定義されていますので、合わせて太陽1つぶん、昼は夜より長くなるようになっているのです。


画像:http://rikanet2.jst.go.jp/

もう一つは、大気の屈折の影響です。
大気には光を屈折させる性質があります。このため、実際にはまだ地平線の下にある太陽が、地平線の上に浮き上がって見えます。そのぶんだけ、日の出が早くなります。

これは「大気差」と呼ばれる現象です。

日の入りに関しても同じ現象が発生するため、そのぶんだけ日の入りも遅くなります。



画像:http://rikanet2.jst.go.jp/

大気差の量は、季節や大気の状態でも多少変動しますが、おおむね太陽1つぶんほど。
つまり、朝と夜で太陽1つぶんずつ、加えて日の出日の入りのタイミングで太陽1つぶんが昼に算入されるため、およそ太陽3つぶん、昼が長くなるというわけです。
正確に昼と夜の長さがほぼ同じになるのは、春分のおよそ4日ほど前だそうです。

もちろん、これは厳密にいえば、の話であって、太陽が真東からのぼり、まっすぐ天球を横切って真西に沈む春分の日は今まで夜のほうが長かった一日が昼のほうが長い季節に切り替わる節目の日。
日本では暦をとって立春を春のはじまりとする考え方が主流ですがヨーロッパではこの日を春のはじまりとします。

日に日に長くなっていく昼を楽しみたいですね。

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