運命の輪/正義~タロットカード・大アルカナ解説 | この青はきみの青

運命の輪/正義~タロットカード・大アルカナ解説

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大アルカナを紹介するシリーズも、折り返し地点。今回採り上げるのは『運命の輪』『正義』です。
特に『運命の輪』は、不思議なシンボルがたくさん登場します。その神秘的なタイトルも相まって、大アルカナを代表するカードの1枚と言えるでしょう。

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10『運命の輪』 WHEEL of FORTUNE

IMG_1456運命を車輪に例えた図像は、中世ではよく見られるものでした。
運命の女神フォルトゥナが球体に乗る姿、あるいは大きな車輪を回している姿などが絵画に描かれています。
輪が意味するのは回転による周期性、そしてそれが永続し、永遠を示します。
自分の尾を加えるウロボロスの蛇のように、始まりは終わりであり、終わりは始まりなのです。

まず、マルセイユ版を見てみましょう。
真ん中に大きな糸車のような車輪があり、そこに3種類の獣らしき存在がいます。
一番上にいるのは、何種類かの動物を掛け合わせたキメラのような姿で、スフィンクスと見られています。
右側で上昇するのはアヌビス、左側で下降するのはテュポンと見なされます。
アヌビスはエジプト神話に登場する、頭が犬で冥界を司る神です。
またテュポンはギリシア神話で、足が蛇の怪物の怪物です。エジプト神話においては、オシリスを殺害したセトと考えられています。

では、ウェイト版について説明しましょう。
輪の周りには、マルセイユ版と同様、3種の生き物がいます。
上にいるスフィンクスは剣を持ち、輪の上でも平然と均衡を保っています。
マルセイユ版でテュポンという怪物だった下降する存在は蛇になり、右側には上昇する、犬の顔をした人間(おそらくアヌビス)がいます。

このカードの真ん中にある「運命の輪」には、何種類かの文字が書かれています。
まずアルファベットは、タロット自体を示す「TARO」。
それを「TORA」と読めば、2番目のカード『女教皇』が持っていた律法の書に通じます。
また「ROTA」と読めば、輪という意味になります。

TAROの文字の間には、神聖四文字と呼ばれる、唯一神を示すヘブライ語が刻まれています。
(アルファベットではYHWH、またはYHVHと書かれます)
その内側のスポークの部分には、錬金術の4つのマークが描かれています。
上が水銀(占星術の水星のマーク)、右が硫黄、下が水(占星術の水瓶座のマーク)、左が塩です。

四隅には人間、鷲、獅子、牡牛がいます。それぞれに翼が生え、書物を読んで熱心に学んでいます。
彼らはもう一度、『世界』のカードに描かれることになります。

この4種類の生き物は、旧約聖書のエゼキエル書、新約聖書のヨハネ黙示録に登場します。
また新約聖書の福音書を書いたマタイ(翼のある人間)、ヨハネ(鷲)、ルカ(牡牛)、マルコ(獅子)にもなぞらえられます。
さらに先ほどの錬金術の元素や、四大元素(火・地・風・水)ともつながります。

キーワード

チャンス、変化、新しい局面
運命

ここに描かれているのは、9番目の『隠者』までの世界から一段階、一次元上と考えると良いかもしれません。
誰でも一度や二度は、自分では想像もし得なかったタイミングで事が進むのを体験したことがあるのではないでしょうか。
運命はある意味で、人智を越えた場所にあります。
ですがそれを生かすのも殺すのも、自分の行動次第です。

正位置の意味

転換点。大きなチャンス
ラッキーな出来事
タイミングが合う。運が向いてくる

逆位置の意味

間が悪い、見込み違い
運が悪い
すれ違い、アクシデント
変わることができない

11『正義』 JUSTICE

IMG_1458『正義』のカードには、玉座に座り剣と天秤を持った人物が描かれています。
マルセイユ版もウェイト版もほぼ同じ構図です。
ただし、マルセイユ版及びそれ以前の伝統的なタロットでは、8番目のカードとなります。

もとより「正義」の寓意像自体が、中世ではすでに知られたもので、タロットのみに限定されるわけではありません。
バチカン宮殿には、ルネサンスの三大巨匠のひとりラファエロの手による「正義」のフレスコ画があり、正義の女神が右手に剣を、左手に天秤を持っています。

ウェイト版のカードにある女性は、ギリシア神話に登場する法と掟を司る女神テミス、またローマ神話のユースティティア(Justitia。名前そのものがJUSTICEを意味しています)、さらにはゼウスとテミスの娘、アストライアーという説もあります。
また、この女神たちは正義を司るものとして、しばしば同一視されます。
彼女が右手に持つ剣は、大天使ミカエルが持つものであり、断罪の役割を意味しています。

一方マルセイユ版では、よく見ると天秤の左右の皿が同じ大きさではありません。
この理由にも諸説ありますが、神の正義と人の正義の違い、また人の正義が持つ、ともすれば傲慢になりがちな性質に注意を向けることを想起させてくれます。

キーワード

公正、正義、バランス
法律や権利関係の事柄

天秤のモチーフを考えると、とても分かりやすいかと思います。
キーワードは理解しやすいですが、何が本当に公正であるかを考えると、状況によっては解釈が難しいカードかもしれませんね。

正位置の意味

公正な態度
平和的。理性的
誠実。常識的
バランスが取れている
法的な結婚の意味合いも

逆位置の意味

不公平、不平等
いい加減。ずるい
決着がつかない
怠けている
公私の区別が無い
恋愛では両天秤の意味合いも

スプレッド紹介~ピラミッド・スプレッド(6枚引き)

大アルカナと一緒に、スプレッドも少しずつご紹介していきましょう。
今回は6枚引きで、ピラミッドの形にカードを並べて占うものです。
ヒントが得やすいので、問題を解決する際にはよく使われるスプレッドです。

ピラミッド・スプレッド

spread08何を占うかを決め、カードをよくシャッフルして、6枚を選びます。
上から順番でも、自分で決めた場所(上から6枚目を6回など)でも、また順番ではなく直観で6枚を選んでもかまいません。
それを、番号順に1、2、3、4、5、6と並べます。

1 その質問の現状
2 その質問の現状
3 その質問の現状
4 その質問に対する対策1
5 その質問に対する対策2
6 その質問の結果

この解釈方法には、幾つかのパターンがあります。
まず1段目の現状ですが、3枚を総合的に見て判断する場合と、1を過去寄り、3を未来寄りとして、時系列をつけて見ていく場合があります。
また2段目の、対策を示す2枚ですが、これも2枚を組み合わせてコンビネーション・リーディングとして読む場合と、4を置かれている立場、5を問題と考え、その観点で組み合わせて対策とする場合があります。

1段目をベースにして、2段目を組み合わせ、それらを踏まえた上で、3段目のカードで最終的に判断します。
恋愛や結婚、仕事の問題など、様々なケースで結論を導きやすいスプレッドだと言えるでしょう。

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