「松の内って本当はいつまで?」「年賀状が出せるタイミングは?」「お正月飾りはいつ出していつ片付ける?」
元旦からお正月だということはわかっているけれど、終わりのタイミングがどうもはっきりしない……そんなふうに感じている人も多いはず。
クリスマスが終わるとばたばたと年末年始になり、何かと流されて過ごしてしまいがちですが、今年は事前に期間を踏まえて気持ちを切り替え、ゆったりとお正月を迎えてみませんか?
『松の内』の意味と期間とは?
「松の内」の「松」は松飾り、つまり門松のこと。門松を飾っておく期間のことを「松の内」と呼ぶのです。
本来の松の内は1月15日まででしたが、江戸時代に旧暦の1月7日をもって正月飾りを片付けるよう、幕府から通達が出されたそうです。
それが広まり、今では一般的には1月7日までが松の内とされています。
(ただこれは東日本中心で、関西など西日本では15日までを松の内と呼ぶところも多いようです)
ちなみに、飾り始めていいのは12月13日の「松迎え」を済ませてから。
この日に山から松を採ってくることで、山の歳神(としがみ)様を迎え入れる準備をしたのです。
歳神様はいつ来るの?
歳神(年神ともいいます)様とは、毎年お正月になると家を訪れる「来訪神」です。
この神様がどんな神様なのかというと、いくつか説があります。
農耕と穀物の神、また祖先の霊を神格化して神としたもの、そしてその年を守護する神。
この3つをまとめて歳神様としてお祀りするのが、日本人の古くからのしきたりだったんですね。
31日の大晦日に門松などの正月飾りを飾ることは「一夜飾り」として、歳神様に対する誠意に欠けると見なされ忌まれています。
歳神様は大晦日の夜にそれぞれの家庭を訪れ、一年間の健康と豊かさを授けて、15日の小正月の頃にお帰りになるとのこと。
私たちは歳神様に、旧年が無事に過ごせたことを感謝し、新しい年の豊穣(ほうじょう)と平和を祈願するわけです。
その気持ちを考えると、慌ただしく前日にお飾りをすることもなるほどためらわれますね。
また29日は語呂合わせで「二重苦」「苦松」(9の末日という意味)として、30日は旧暦の大晦日ということで避けられる傾向にあるようです。
正月飾りは28日までに飾っておけば問題なさそうですね。
年賀状を出すのにふさわしい期間って?
年賀状には消印が押されないことは、皆さんよくご存じかと思います。
消印が押され始めるのは1月8日から。
また年賀状の引き受け開始は12月15日からなので、この日から1月8日までに出すのがある程度の線引きになるかと思います。
とはいえ8日を過ぎてしまっても、15日の小正月までは「あけましておめでとう」の挨拶は使えます。
年始の挨拶としての年賀状はぎりぎり15日まで、その後は寒中見舞いに切り替えた方がよいでしょう。
年始の挨拶にふさわしい時期を踏まえれば、年賀状を出す方も受け取る方も、気持ちよくコミュニケーションを交わすことができますね。