恋人/戦車~タロットカード・大アルカナ解説

愚者から始まった大アルカナですが、これまでご紹介してきたカードのモチーフは魔術師や女帝など、メインとなるひとりの人物でした。
今回は今までと異なり、関係性を示す『恋人』、また乗り物である『戦車』のカードです。
その意味や、象徴するものを見ていきましょう。

6『恋人(恋人たち)』 THE LOVERS

マルセイユ版以前のタロットにおいては、ふたりの男女の上にクピド(キューピッド・エロース)が舞い、愛の成就や結婚を意味していました。

しかしマルセイユ版になると、クピドの存在は変わりませんが、真ん中の男性を挟んで、ふたりの女性が彼を取り合っているような形になります。
片方は冠をつけ、権力や地位がある女性に見えます。またもう片方は、男性に向かってアプローチをしているような仕草です。
男性はその板挟みになり、身動きが取れない様子。
この状態を見れば、『恋人』のカードの意味に「選択」が生じるのも当然と言えるでしょう。

ウェイト版になると、様相がまた変化します。
空にいる天使はクピドから、大天使ラファエルへと姿を変えます。それに伴って、現世的なエロスから、もっと純粋な、大きな愛へと意味合いが変化します。
男女は旧約聖書の創世記に記された、エデンの園に住むアダムとイブです。
イブの後ろには善悪を知る木があり、蛇がいます。
善悪を知る木の果実を食べることは禁じられていましたが、蛇にそそのかされ、イブはその実を口にします。
アダムもまたそれを食べ、彼らは裸でいることを恥じてイチジクの葉を身につけるようになります。
ですがカードに描かれた段階ではまだ、ふたりは何も身につけていません。
その実を食べるか否か、これもまた「選択」ということなのでしょう。


キーワード

恋愛、結婚、選択、絆、統合、魅力

タロットカードの変遷を見ると、このカードには恋愛や結婚の意味と同時に、選択の意味合いが強いことが分かるかと思います。
恋占いで出るともちろん良いカードではありますが、それを活かすのは自分の正しい選択や決断があってこそです。

正位置の意味

相思相愛、純粋な愛
選択できる・選択すべき時、二面性
誘惑の克服

逆位置の意味

失恋、離別
選べない、間違った選択、優柔不断
快楽主義

7『戦車』 THE CHARIOT

『恋人』のカードの数字は6。陰と陽のバランスを取ることを意味します。
そこには揺らぎがあるからこそ、バランスを取る必要があると言えますね。

迷いや分裂があり、そこで正しい選択を行うと、生まれてくるのは強い意志であり、意志を行動として示すことです。
つまり、それが7の『戦車』への流れになります。

『戦車』とは言うものの、歴代のタロットカードでは、戦いに行くというよりもパレードの山車のような姿に描かれています。
むしろ、戦場から戻ってきて凱旋の行進をする姿と考えた方が、妥当かもしれませんね。

マルセイユ版では、戦車の中にいるのは若い王、もしくは英雄です。
それを二頭の馬が引いています。

ウェイト版になると、二頭の馬は白と黒のスフィンクスに姿を変えます。
白と黒、陰陽や光と闇を示す二色は、対立概念を表します。
たとえば理性と本能など、相反するものをうまく御しながら進むことができれば、そのスピードも上がり勢いも増します。

戦車は「乗り物」です。
そこには制御やコントロールが必要であり、それをうまく果たせば間違いなく勝利が得られることでしょう。


キーワード

勝利、行動力、征服

意志を貫くその強さは、素晴らしいものです。
ですが、それだけに取り憑かれてしまえば、周囲を混乱させ、自分を酷使することにもなりかねません。
前向きで強いカード故に、ほどほどに、という注意も生じます。

正位置の意味

勝利、克服、頑張る
スピーディ、どんどん進む
積極的。本能に忠実

逆位置の意味

暴走。過労。無責任
強引すぎる。自暴自棄
失敗、自滅、混乱

スプレッド紹介~フォーカード・スプレッド(4枚引き)

大アルカナと一緒に、スプレッドも少しずつご紹介していきましょう。
今回は4枚引きです。

フォーカード

これは、スリーカードでご紹介したスプレッドのアレンジバージョンです。

何を占うかを決め、カードをよくシャッフルして、4枚を選びます。
上から順番でも、自分で決めた場所(上から6枚目を4回など)でも、また順番ではなく直観で4枚を選んでもかまいません。
それを、左から順に1、2、3、4と並べます。

  1. その質問についての過去
  2. その質問が現在どうなっているか
  3. その質問に対する妨害(トラブル及び対策)
  4. その質問の未来、最終結果


ダイヤモンドクロス

これは恋愛占いのスプレッドです。
枚数が少ないので、初心者でもわかりやすく解釈できるかと思います。

何を占うかを決め、カードをよくシャッフルして、4枚を選びます。
上から順に、図の通りにカードを並べます。

  1. 質問者(自分)の気持ち
  2. 相手の気持ち
  3. ふたりの状況(問題や試練など)
  4. ふたりの未来
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